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「AIを導入したいが、何から始めればいいか分からない」——中小企業からもっともよく聞く相談です。そして多くの会社が、最初に「どのツールを入れるか」から考えて、つまずきます。
結論から言うと、AI導入で最初にやるべきはツール選びではありません。業務の棚卸しと「最初の1業務」の見極めです。
なぜツールから入ると失敗するのか
- 高機能なツールを入れても、どの業務に使うかが決まっていないと、現場で使われないまま止まる
- 「全社でDX」と大きく構えるほど、対象が広がりすぎて前に進まない
- ツールは手段。先に「解きたい課題」を1つに絞る方が、成果が早く見えます
私たちが実案件でも自社でも繰り返し実感しているのは、**「一番時間を食っている定型作業を1つ選ぶ」**のが最短だということです。
最初の1業務の選び方
次の3条件がそろう業務は、AI・自動化の効果が出やすく、失敗しにくい候補です。
- 毎月くり返す(頻度が高い)
- 手順が決まっている(属人的な判断が少ない)
- 時間がかかっている or ミスが起きやすい
この3つで「最初の1業務」を絞り込むと、次のように判断できます。
たとえば「請求書の作成」「問い合わせメールの一次対応」「複数シートの集計・転記」などが典型です。
進め方:小さく試して、広げる
- 1業務に絞る:一番時間を食っている定型業務を1つ選ぶ
- 小さく試す:まず手元のダミーで挙動を確認。いきなり本番データで動かさない
- 人が持つ範囲を決める:どこまで自動化し、どこから人が確認・送信するかを明文化する
- 回ったら次へ:1つ成功したら、隣の業務へ横展開する
この順番なら、大きな投資をせずに「効果が見える状態」を先に作れます。
現場の例:受発注の1工程から始めた(卸・小売)
実際の案件(業種・規模で匿名化)を、判断の裏側まで紹介します。
何をやったか
受発注と在庫の管理が、FAX・電話・担当者のExcelに依存していた会社です。まず受発注の記録という1工程に絞ってAppSheetでアプリ化し、現場のスマートフォンから入出庫を記録できるようにしました。在庫や受発注の状況を誰でもリアルタイムに確認できるようになり、属人化が解消、状況確認のやり取りも減りました。
なぜ「1工程に絞った」のか
ご相談は「AI・デジタルで何とかしたいが、どこから手をつければ…」でした。ここで全社の基幹システムを一気に作ろうとすると、たいてい止まります。だから、一番困っている1工程だけに絞り、小さく効果を出すことを優先しました。
詰まった点
「どうせなら全部まとめて」と広げたくなる場面がありましたが、あえて我慢しました。1つ成功して効果が見えてからの方が、社内の納得が得やすく、次に広げやすいからです。焦って広げるほど、かえって遠回りになります。
他社でも真似できる学び
- 全部を一度に変えない。一番困っている1工程から始める
- 小さく成功させて、効果を見せてから広げる
- 現場が毎日使えるか(スマホで完結するか等)を最優先にする
※実在案件を業種・規模で匿名化しています。顧客名・実数値の掲載はありません。
よくある質問
Q. 小さく始めると、かえって非効率では? 逆です。小さく始めるほど、失敗しても損失が小さく、効果を早く確認できます。うまくいった型だけを広げれば、無駄が出ません。
Q. 何から手をつけるか、社内で決められません。 「毎月くり返す・手順が決まっている・時間がかかる」の3条件で棚卸しすると、候補は自然に絞れます。判断に迷う場合は、外から業務を見てもらうと早いこともあります。
まとめ
- AI導入で最初にやるのは、ツール選びではなく業務の棚卸しと「最初の1業務」の見極め
- 「毎月くり返す・手順が決まっている・時間がかかる」業務が最初の候補
- 小さく試して、人が持つ範囲を決めて、回ったら広げる
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