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「このテーマなら読まれるはず」——ブログの企画会議で、こうした勘で企画を決めていないでしょうか。私たちも以前はそうでした。その結果、誰も検索していない語で記事を書いてしまうことがありました。
記事は、1本書くのにそれなりの時間がかかります。公開後に読まれないと分かっても、かけた工数は戻りません。そこで私たちは、企画段階で検索需要を機械的に判定するCLI(コマンドで動かす小さなツール)を作り、需要のないテーマを企画会議の前に落とす仕組みにしました。
この記事では、判定の入力と出力、落とすラインの決め方、そして機械に任せず人が決める部分を紹介します。
この記事の結論
- 検索需要は勘で決めず、サジェストの実測で判定する
- 需要のない企画は、書く前に落とす工程を持つ
- 一次体験の有無と既存記事との重複は人が決める
ブログ企画が外れる原因は「検索需要の思い込み」
企画が外れる一番の原因は、書き手が使う言葉と、読者が検索窓に打つ言葉がずれていることです。
社内で当たり前に使っている言い回しや、書き手が「面白い」と感じる切り口は、読者の検索語とは限りません。会議の場では誰も反対しないので、そのまま制作に進んでしまいます。そして公開後に初めて、検索されていないと気づきます。
問題は、人の勘そのものではありません。勘を確かめる工程がないまま、制作という一番重い工程に入ってしまうことです。
ブログの検索需要の調べ方:サジェスト実測と指名検索の母数
私たちは、検索需要を次の2つの信号で見ています。
| 信号 | 何を見るか | 分かること |
|---|---|---|
| サジェストの実測 | 狙う検索語が、検索窓の候補に実際に出るか | その語の組み合わせで検索する人がいるか |
| 指名検索の母数 | 製品名・技術名そのものがどれだけ検索されているか | そもそもその分野に読者がどれだけいるか |
サジェストは「その語で検索している人がいる」ことの手がかりになります。ただし、候補に出るかどうかだけでは規模が分かりません。そこで、製品名や技術名そのものの検索(指名検索)の母数をあわせて見ます。母数が小さい分野では、周辺の語も読まれにくいからです。
なお、検索エンジンのサジェストの表示仕様は変わることがあります。最新の仕様は各サービスの公式情報で確認してください。
判定CLIの入力と出力
判定CLIに渡すのは、企画候補と、その企画で狙う検索語だけです。CLIはサジェストを実測し、指名検索の母数と合わせて判定を返します。
出力イメージ(項目は簡略化しています):
企画: 企画A
狙う検索語: 製品名 + 課題語
サジェスト: 出現あり
指名検索の母数: 基準以上
判定: 通過
企画: 企画B
狙う検索語: 社内での言い回し
サジェスト: 出現なし
指名検索の母数: -
判定: ボツ
判定結果は、そのまま週次の企画一覧に載ります。一覧の形は次のとおりです。
| 企画 | 狙う検索語 | 機械判定 | 人の確認 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 企画A | 製品名+課題語 | 通過 | 一次体験あり・重複なし | 承認 |
| 企画B | 社内の言い回し | ボツ | — | 見送り |
| 企画C | 技術名+使い方 | 保留 | 既存記事と重複の疑い | 再検討 |
一覧で承認した企画は、そのまま制作工程へ流れます。全体の流れはこうなります。
ポイントは、ボツになった企画が会議に上がってこないことです。会議の時間を、需要のある企画を選ぶことだけに使えます。
落とすラインの決め方
判定CLIで一番悩むのは、どこで落とすかという線引きです。私たちは次の考え方で決めています。
- サジェストに出ない語は原則として落とす。検索している人がいる手がかりがないためです
- 指名検索の母数が小さい分野は、周辺語も伸びにくい前提で扱う
- 迷うものは無理に白黒つけず、保留として一覧に残し、人の判断に回す
- 公開後の読まれ方を見て、ラインそのものを見直す
大事なのは、この判定を落とすための道具として使うことです。通過したからといって、読まれることが保証されるわけではありません。逆に、明らかに需要のない企画を確実に止められれば、それだけで無駄な制作は大きく減ります。
機械判定に任せず人が決める2つのこと
検索需要は機械で測れますが、記事として成立するかどうかは測れません。次の2つは、人が企画一覧を見て判断しています。
一次体験があるか
検索需要があっても、自社で実際にやったこと・つまずいたことがなければ、他の記事と同じ内容の焼き直しになります。自分たちの体験から書けるかどうかは、機械には判定できません。
既存記事と主題が重複しないか
同じ主題の記事が自社にすでにあるなら、新しく書くより既存記事を直す方がよい場合があります。言い回しが違っても主題が同じ、というケースは機械では見落としやすいため、人が確認します。
機械は「検索されているか」を見て落とす役、人は「自社が書くべきか」を見て選ぶ役。この分担がうまく回っています。
教訓:書く前に落とす工程を持つ
この仕組みで一番変わったのは、ツールの精度ではなく、書く前に落とすという工程が業務の流れに組み込まれたことです。
重い工程の前に、軽い判定を置く。これはブログに限らず、中小企業の業務改善全般に通じる考え方です。時間やお金がかかる作業ほど、始める前に「やらない」を決められる仕組みがあると、限られた人手を本当に効くところへ回せます。
よくある質問
Q. ブログの検索需要はどうやって調べればいいですか? 検索窓に語を入れたときに出る候補(サジェスト)に、狙う語が実際に出てくるかを確認するのが手軽です。あわせて製品名や技術名そのものがどれだけ検索されているか(指名検索の母数)も見ると、判断がぶれにくくなります。
Q. 検索需要がないテーマの記事は書かないほうがいいですか? 集客を目的とする記事なら、書く前に落とすのが合理的です。記事制作には工数がかかり、公開後に読まれないと分かってもその工数は戻りません。ただし既存顧客向けの説明など、検索以外の目的がある記事は別の基準で判断します。
Q. 検索需要の判定をすべて機械に任せてもよいですか? いいえ。機械が判定できるのは、その語が検索されているかどうかまでです。自社に書けるだけの一次体験があるか、既存記事と主題が重複しないかは、人が企画一覧を見て判断します。機械は落とす役、人は選ぶ役と分けるのが実用的です。
まとめ
- 企画の検索需要を勘で決めると、誰も検索していない語で記事を書いてしまう
- サジェストの実測と指名検索の母数で需要を機械判定し、ボツは企画会議の前に落とす
- 判定結果は週次の企画一覧に載り、承認した企画だけが制作工程へ進む
- 一次体験の有無と既存記事との重複は、機械に任せず人が判断する
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